fuiigo開発ストーリー(2)
2024.09.28
こんにちは、こちら氷川音響研究所です。
<fuiigo開発ストーリー(1)からのつづき>
定年退職後、自分で満足できるウェアラブルスピーカーを作ろうと思い立ったわけですが、スタートはそれまで勤めていた会社で担当していたネックスピーカーの発展形をイメージしていました。肩乗せスピーカーとか首掛けスピーカーとも呼ばれるタイプです。
ネックスピーカーといえば、TVで家電芸人が取り上げることで大ブレークしたソニー「SRS-WS1」という製品が普及の先駆けでした。この製品は低音を再生するとき、同時に振動を発生することで大きな臨場感を生む新鮮さが市場で受けたのです。
その頃、私の所属していた事業部でもネックスピーカーに振動機能を設けようと進めていたので、先を越され、たいそうがっかりしました。しかし、ソニーさんがネックスピーカーが市場で受け入れられることを示してくれたと前向きにとらえ、ソニーさんとは振動を生成する仕組みがだいぶ異なることから、気を取り直して、商品化までこぎつけることが出来ました。その間、BOSE、JBL、その他のメーカーも次々と市場参入しており、ネックスピーカーは結構大きな盛り上がりを見せるのです。
私が定年退職するときには、既にネックスピーカーの注目度が下がってきた感じがありましたが、恐らく、ブームが去ったというより、市場に広く認知され、安定したカテゴリーが築かれたと言った方がいいかもしれません。その後も、製品は年々進化し、軽量化や使いやすさは向上していましたが、個人的には、音の迫力の面では目立った進化が見られないのが、残念な気持ちだったのです。
<つづく>