音作りについて(2)
2025.02.01

こんにちは! こちら氷川音響研究所です。
大きなスピーカーが搭載できないウエアラブルスピーカーであるfuiigoにおいて、低音を再生するために工夫していることを説明します。
fuiigoの開発において、60Hzくらいの低い音までは十分聴こえるようにするというのが設定した課題でした。
打楽器のバスドラムの音が50Hz〜80Hzといわれているので、バスドラムの音をきちんと再現するのが目標と言い換えてもいいかもしれません。
肩の上に乗せる格好になる左右チャンネルのスピーカーは、重量やサイズ面から、振動板の直径が20㎜~30㎜程度のいわゆる小口径のスピーカーを選択せざるを得ません。
このサイズのスピーカーで、60Hz~20kHzの低音から高音までの広い範囲をカバーして鳴らすのはかなり難しいと判断し、家庭用のサラウンドシステムやサウンドバーで一般的な、低音専用のスピーカーとアンプを付加する2.1chのシステムを採用しました。
ただ、低音用スピーカーを付加するといっても、身体どこかに装着するわけですから、せいぜい口径が35㎜程度のスピーカーを選択することになります。
スピーカーは振動板と呼ばれる板を動かすことで音を発生させますが、大きな音を出すためには、振動板の口径は大きいほうが有利です。
しかし、小さい振動板のスピーカーしか使えないので、何か工夫が必要です。
考えたのは、
①小さいながらも、出来るだけ低音や大きな音を出せるスピーカーを採用する
②低音の出口を極力耳の近傍にもってくる。
③fuiigoの売りであるところの振動を利用することで、低音感を向上させる
という3点です。①については、ネオジム磁石を使った専用設計のスピーカーを開発しました。ネオジム磁石というのは、永久磁石の中で最も強力な磁石で百均ショップでも見かけます。
2個のネオジム磁石がくっついてしまうと、離すために大変な苦労をすることもしばしばです。
<つづく>